11月の税務
11月は、年末調整の準備と並行して、所得税の予定納税、法人の確定申告、消費税の中間申告が重なりやすい月です。特に月末の11月30日は対象となる手続きが多いため、早めに確認しておくと安心です。
11月の主な税務期限一覧
11月の主な期限を、日付ごとにまとめると次のとおりです。
期限 | 主な手続き | 対象の例 |
11月10日 | 10月分の源泉所得税、住民税の特別徴収税額の納付 | 給与を支払う法人、個人事業者 |
11月16日 | 所得税の予定納税額の減額申請 | 個人事業者など |
11月30日 | 所得税の予定納税額の納付、第2期分 | 予定納税の対象者 |
11月30日 | 特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付 | 対象となる農業所得者 |
11月30日 | 9月決算法人の確定申告 | 法人税、消費税、地方消費税、法人事業税、法人住民税など |
11月30日 | 消費税の期間短縮に係る確定申告 | 3か月ごと、1か月ごとの申告対象者 |
11月30日 | 3月決算法人の中間申告 | 法人税、消費税、地方消費税、法人事業税、法人住民税 |
11月中 | 個人事業税の納付、第2期分 | 個人事業税の対象者 |
11月10日は源泉所得税と住民税の納付期限です
11月10日は、10月分の源泉所得税と住民税の特別徴収税額の納付期限です。
給与、賞与、税理士報酬、司法書士報酬などから源泉徴収をしている場合、原則として翌月10日までに納付します。住民税の特別徴収も、従業員の給与から天引きした税額を翌月10日までに市区町村へ納付します。
確認しておきたい項目は次のとおりです。
10月支給分の給与台帳に誤りがないか
源泉所得税の納付額が集計表と一致しているか
住民税の納付先市区町村に漏れがないか
退職者、入社者の特別徴収の処理が反映されているか
納付方法がダイレクト納付、インターネットバンキング、納付書のどれか
納期の特例を受けている場合は、源泉所得税の納付時期が原則と異なります。自社が特例の対象かどうかも、あわせて確認しておきましょう。
11月16日は所得税の予定納税額の減額申請期限です
11月16日は、所得税の予定納税額の減額申請の期限です。
予定納税は、前年分の所得税額などをもとに、当年分の所得税をあらかじめ納める制度です。ただし、今年の業績が前年より大きく下がっている場合や、廃業、休業、災害などにより所得が減る見込みの場合は、予定納税額の減額申請を検討できます。
たとえば、次のようなケースでは確認が必要です。
売上が前年より大きく減少している
経費が増え、所得が大幅に減る見込みがある
事業を廃止、休止した
医療費控除や扶養状況の変化などで税額が下がる見込みがある
減額申請は、単に「資金繰りが厳しい」という理由だけではなく、所得税額が減る見込みを数字で示す必要があります。試算表、売上資料、経費の見込みなどを早めに整理しておくと、判断しやすくなります。

11月30日は所得税と法人関連の手続きが集中します
11月30日は、11月の税務で最も手続きが多い日です。個人、法人のどちらにも関係する期限が含まれます。
所得税の予定納税額を納付します
所得税の予定納税額の納付、第2期分の期限です。対象者には、通常、税務署から通知があります。
納付方法には、振替納税、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、スマホアプリ納付、納付書による納付などがあります。方法によって手続きの締切や利用条件が異なる場合があるため、余裕を持って確認してください。
特別農業所得者についても、所得税の予定納税額の納付期限が11月30日です。
9月決算法人は確定申告の期限です
9月決算法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に確定申告を行います。そのため、11月30日が申告・納付期限となります。
対象となる主な税目は次のとおりです。
法人税
消費税
地方消費税
法人事業税
法人事業所税
法人住民税
決算確定、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、消費税の課税区分など、確認事項が多くなります。月末に慌てないためには、決算整理仕訳と税額計算を早めに進めることが重要です。
期間短縮をしている消費税の申告も対象です
消費税について、3か月ごと、または1か月ごとの期間短縮を選択している法人や個人事業者は、11月30日が確定申告期限となる場合があります。
対象には、次のような申告が含まれます。
3月、6月、9月、12月決算法人や個人事業者の3か月ごとの期間短縮に係る確定申告
法人、個人事業者の1か月ごとの期間短縮に係る確定申告
期間短縮をしている場合、通常よりも申告回数が多くなります。還付を早く受けられるメリットがある一方で、毎月または四半期ごとの経理処理の正確さが求められます。
3月決算法人は中間申告の確認が必要です
3月決算法人は、11月30日までに半期分の中間申告を行います。対象となる主な税目は、法人税、消費税、地方消費税、法人事業税、法人住民税です。
中間申告には、前期実績をもとに計算する方法と、仮決算に基づいて計算する方法があります。一般的には前期実績による方法が多く使われますが、当期の業績が大きく変動している場合は、仮決算による申告を検討することもあります。
消費税については、年税額に応じて中間申告の回数が変わります。11月30日に関係するものとして、次の申告があります。
消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3か月ごとの中間申告
消費税の年税額が4,800万円超の法人・個人事業者の1か月ごとの中間申告
7月決算法人については2か月分の申告となる場合
ただし、8月、9月決算法人は、1か月ごとの中間申告の対象から除かれる扱いがあります。自社の決算月と前年の消費税額を照合し、必要な申告を確認しましょう。
個人事業税の第2期分は都道府県の期限を確認します
個人事業税の第2期分の納付期限は、11月中において都道府県の条例で定める日です。全国一律で同じ日とは限りません。
納税通知書が届いている場合は、記載された納期限を確認してください。口座振替を利用している場合でも、残高不足があると未納扱いになることがあります。月末前に口座残高を確認しておくと安心です。
個人事業税は、所得税や消費税と異なり地方税です。問い合わせ先も税務署ではなく、都道府県税事務所などになります。

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